~知られざるルーツと活躍~ さつまいもの深い歴史とは

2022.3.3 子育て

~知られざるルーツと活躍~ さつまいもの深い歴史とは

#知育


●はじめに


今年も寒さが厳しくなりました。焼きいもで暖まりたい季節ですね。
焼きいもといえば、さつまいもです。今回は、さつまいもが世界に誕生してから日本全国に広まるまでの歴史をひもときます。


●アメリカ大陸で生まれてヨーロッパへ


さつまいもは、紀元前に、メキシコを中心とする地域「熱帯アメリカ」で生まれたとされています。
他の地域にも伝わったのは15世紀でした。イタリアの探検家、クリストファー・コロンブスがアメリカ大陸を訪れ、さつまいもをヨーロッパに持ち帰ったことで、初めてヨーロッパに伝わったのです。
「さつまいもとヨーロッパ人の出会いを生んだのはコロンブス」といえるかもしれません。



その後、ヨーロッパの植民地だった東南アジアやインドなどにも伝わりました。


●中国から日本へ


さつまいもはヨーロッパの植民地で広まった時、中国に伝わりました。
江戸幕府が誕生した1605年に琉球(現在の沖縄県)へと伝わり、1609年には薩摩(現在の鹿児島県)にも持ち込まれ、主に九州での栽培が始まりました。



日本全国で栽培が始まるのは、しばらく経ってからのことでした。


●全国に広まる


全国に広まるきっかけが生まれたのは、徳川吉宗が将軍だった時代、1833~1836年ごろのことでした。
当時、日本は大飢饉に見舞われていました。人々を飢饉から救う作物が必要でした。



そんな時、青木昆陽(あおき こんよう)という蘭学者がさつまいもに目をつけます。
昆陽は、さつまいもの特性や栽培方法を研究し、詳細をまとめた著書を将軍吉宗に差し出しました。
吉宗は「さつまいもが役に立つかもしれない」と考え、昆陽に試作栽培を命じました。

その試作栽培が成功し、多くの人がさつまいもで救われることになりました。

その後も、江戸時代には何度か飢饉がありましたが、そのたびにさつまいもが「救世主」として活躍し、注目されることで全国へと広まっていったのです。この時、さつまいも(薩摩芋)という名前が付きました。
ちなみに、さつまいもが飢饉で人々を救うことができた理由は、次の3つです。

① 干ばつに強い
② 収穫量が多い
③ 火山灰性の土壌でも栽培できる



●おわりに


私たちにとっておなじみの食材であるさつまいもは、歴史に名を残すコロンブスや徳川幕府、日本社会を揺るがした飢饉などと大きく関わりながら、日本人の間に定着した食材だったのです。そのことを意識すると、さつまいもに歴史のロマンのようなものを感じませんか? 
 お子さんが日本史・世界史を学習されている場合、ママさん・パパさんはさつまいもの歴史についてお子さんと話してみるのもいいかもしれませんね。

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