昔から日本で大事にされてきたお祭り「新嘗祭」子どもに伝えてますか?

2019.8.7 子育て

昔から日本で大事にされてきたお祭り「新嘗祭」子どもに伝えてますか?

#しつけ

日本にとって、本当に大事なお祭りと言えば何が思い浮かびますか?

「新嘗祭」と聞いて、何をするか分かりますか?

何月何日ごろにあるお祭りかわかりますか?

…答えられない方がほとんどだと思います。

では、なぜ私たちは日本で大事にされてきたお祭りを知らないのでしょうか。

今回は、日本で大事にされてきた「新嘗祭」をお子さんとも話せるようにできるだけ簡単に

ご紹介していきたいと思います。

「新嘗祭」とは?



「新嘗祭」は、「にいなめさい」と読み、「しんじょうさい」「にいなめのまつり」とも言います。

「新」は、その年の最初に収穫した稲穂(初穂・はつほ)を、
「嘗」は、ごちそう
を表します。

新嘗祭は簡単に言えば「収穫祭」のことで

『今年の収穫に感謝する』ために行われます。


起源はハッキリしませんが万葉集にも「新嘗祭」にまつわる和歌が詠まれていると言われているほどで、日本書紀によると「飛鳥時代」が起源だと伝えられています。

毎年11月23日に行われるもので、宮中恒例祭典の中でも一番重要とされています。

天照大御神やすべての神様、そして天照大御神の子孫とされる天皇陛下も初穂を召し上がります。


※似たお祭りに「神嘗祭」(かんなめさい)と言うものもあります。※

…天の上で(高天原・たかまがはら)で、初穂を神(天照大御神)が食されたことに由来するお祭りです。
毎年10月17日に伊勢神宮にて、その年の初穂を天照大御神にお供えします。
そこで『収穫の喜び・五穀豊穣の感謝』を皆で分かち合います。

二つの違いは、簡単に言うと

天皇陛下が、天照大御神に新米を捧げるお祭りが【神嘗祭】
天皇陛下が、天照大御神(全ての神々も)に新米などでおもてなしして一緒に食事を共にするのが【新嘗祭】です。

11月23日にどんな意味や歴史があるの?



旧暦(太陰暦)の時は、11月の2番目の卯の日(中旬)で「冬至」に近い日でした。

なぜ冬至なのかというと

冬至は、「太陽の力が一番衰える日であるとともに再び力を取り戻す日」

太陽=天照大御神のことで、新米を食べて新たな力を得る儀式とされているからです。

旧暦では、日にちは前後していたのですが、

11月23日に決まったのは、明治6年(現行暦に移行する年)頃に、

新暦と旧暦の差を考えずに11月23日が新嘗祭と決まったのです。


なぜ私たちは「新嘗祭」のことを知らないの?



第二次世界大戦後、アメリカが日本の大事な行事が残っていたら

日本が何をするかわからないから、ということで

特に特別な意味をなさない「勤労感謝の日」と決めてしまったのです。

だから日本の宮中行事で一番大事なお祭りなのに、

気にしなければ知ることのできないお祭りになってしまったのです。

気持ちだけでも「新嘗祭」を守ってきた思いを引き継ぎたい!という方は



新嘗祭は、「その年の恵みを神様に感謝する」ためのお祭りです。

そして、土づくり、収穫、種もみ、選定、多くの人の思いや働きがあってこその

『目の前にある恵』に感謝しつつ、神様にも感謝する日なのです。



本来の心ある食の有難さを今一度思い出す日にしてみてください。

日本人としてもぜひ行っていただきたい、大事な気持ちだと思います。


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