おはぎとぼたもちの違いとは?実は呼び名が○種類?

2024.4.19 料理

おはぎとぼたもちの違いとは?実は呼び名が○種類?

#教育#レシピ

●はじめに



今年も春がやってきましたね。
春の季節の和菓子といえば、何があるでしょうか? 色々なものがありますが、その中の1つに「ぼたもち」があります。
今回は、そのぼたもちについて解説します。ぼたもちが好きなお子さんも、そうでないお子さんも、「有名な和菓子の知識」にふれることが勉強になるかもしれません。

●どのように生まれたのか?



ぼたもちは、江戸時代に生まれたお菓子です。
江戸時代には、砂糖は高価で手に入れにくいものだったため、手に入りやすい塩を使用した餡でした。

餡に使用する小豆の赤い色には邪気を払う効果があると信じられており、ご先祖様の魂の供養を行う際にお供えしたのが始まりとされています。そこから次第にお彼岸や四十九日の忌明けに食べる風習へと変化・定着していきました。
また江戸時代中期になると高い品質の砂糖が国内でも多く生産されるようになり砂糖の入ったあんこが広まっていきました。

① 春に作られる「ぼたもち」

春のお彼岸に作られる物をぼたもちと言います。牡丹の花が咲く頃に作られる為「牡丹餅」と言います。
春のお彼岸では、収穫して時間の経過した小豆を使うことになります。
越冬した小豆の皮は硬くなっている為、あんこを作るときに皮を取り除く工程があります。その為、「こしあん」が春のお彼岸では使われるようになりました。

② 秋に作られる「おはぎ」

秋のお彼岸に作られる物をおはぎと言います。萩の花が咲く頃に作られる為「お萩」と言います。
秋のお彼岸では、小豆の収穫時期の為、収穫したばかりの小豆が使用されます。収穫直後の小豆の皮は柔らかいため、粒あんを皮ごとつぶして作ることができます。その為、「粒あん」が秋のお彼岸で使われるようになりました。

●それぞれの違いは?

 

ぼたもちとおはぎでは2種類の違いがあります。
①「材料」
②「形」
☆ぼたもちの場合
・餅の材料――うるち米、こしあん、塩、または砂糖
・形―――――牡丹の花に似た大きく丸い形


☆おはぎの場合
・餅の材料――うるち米、粒あん、塩、または砂糖
・形―――――萩の花に似た細長い俵形

●実は4種類の呼び名がある


一般的には「ぼたもち」と「おはぎ」の2種類の呼び名が知られていますが、実は春・夏・秋・冬4種類の呼び名があるのです。

 牡丹の花が咲く頃に作る為、「牡丹餅(ぼたもち)」
 いつお米をついたか分からない→つき知らず→着き知らず
  (日光が無い夜は真っ暗で、いつ船が岸に着いたのか分からない)「夜船(よふね)」
 萩の花が咲く頃に作る為、「おはぎ」
 いつお米をついたか分からない→つき知らず→月知らず
  (北向きの窓からは月が見えない)「北窓(きたまど)

春 ぼたもち、夏 夜船(よふね)、秋 おはぎ、冬 北窓(きたまど)
ひとつの和菓子を表すのに、季節にちなんだ4通りもの呼び名があるなんて、とても風流ですよね。

●まとめ



今では代表的に食べられる和菓子になりましたが、昔は高級な食べ物でした。

近年では「ぼたもち」と「おはぎ」の呼び名が曖昧ですが、昔は季節ごとに呼び名も変わっていたことが分かりました。名前の由来や歴史に思いを馳せて食べてみるとより一層美味しく感じられるかもしれません。

ちなみに今年2024年(令和6年)の春の彼岸は、【3月17日(日)~3月23日(土)】の7日間。秋の彼岸は、【9月19日(木)~9月25日(水)】の7日間です。
今回ご紹介した違いを思い返しながら迎えてみてはいかがでしょうか。

レシピを載せておきますので作り方に興味がある方は宜しければ作ってみてください。

cocoas kids CONTENTS