どうして「ハト」が平和の象徴なのか?

2021.7.13 子育て

どうして「ハト」が平和の象徴なのか?

#教育

先日、道を歩いていたらハトが木の小枝をくわえて飛び立とうとしている姿を一瞬を見かけました。

その時、ふと頭をよぎったのは、「どうして『ハト』が平和の象徴なのか?」という素朴な疑問でした。



「ハト」を平和の象徴と認識している方は多いと思います。

しかし、理由についてはあまり知らないママさん、パパさんに向けて、

「どうしてハトが平和の象徴なのか?」

という素朴な疑問について、今回の記事でご説明したいと思います。


1、「ハト」から連想される「平和」



 滝廉太郎による童謡『鳩ぽっぽ』で有名なハトは、しばしばお昼間の広い公園などをトコトコ歩いています。

 そんなハトの姿を見ていると「今日も平和だなぁ」という気分に浸ることが出来ます。

 ところで、「ハト=平和」という考え方は、いつ生まれたかご存じですか?

「平和の象徴」としてハトがオリーブの枝をくわえている図柄を目にすることがしばしばあります。

これはキリスト教徒の聖典である「旧約聖書」の中の「創世記」で語られる「ノアの箱舟」の逸話に由来しているとする説が有力です。

【ノアの箱舟のあらすじ】
堕落してしまった人類に怒りを覚えた神は、洪水を起こして人類を滅亡させようとします。
ただし神は、神を慕っていた「ノア」という人物には、箱舟を作ってノア、ノアの家族、地球上のすべての生物をそれぞれ1つがい乗せるように言います。
ノアは言われたとおりにして、洪水から逃れられました。
そして、洪水が終わったことを確認するためにハトを放ちます。

そして、そのハトがオリーブの枝をくわえて知らせに来たことから、洪水が終わり大地に木々が芽吹いたことを知らせた「平和の使者」といわれるようになったようです。


2、「ハト」が大好きだった画聖ピカソ


 
実は、「平和の使者」としてのハトの側面を世に強く知らしめたのが、美術の授業でおなじみの画聖ピカソなのです。

画聖であるピカソが生涯にわたって、こよなく愛した対象が「ハト」でした。

キリスト教カトリック派の信徒だったピカソは幼少時からハトに深い愛着を持ち、その生涯を通して作品のモチーフとしても多く用いました。

ハトに対するピカソの思い入れの深さを語るエピソードとしては、

○アトリエでハトを飼っていた。
○自分の娘を「パロマ(スペイン語でハト)」と名付けた。


という話が現在まで伝わっています。

ピカソにとってハトは身近な題材であり政治的メッセ―ジの象徴でした。

美術史上のピカソの功績と言えば、「作品《ゲルニカ》で反戦のメッセージを表現したことで有名です。

美術史上の功績としては、反戦のメッセージ性がある作品が有名でしたが、他方ではハトをモチーフにした温かみのある作品も手掛けていました。

ハトをモチーフにした主な作品としては、

○平和擁護世界大会のポスター(リトグラフ)『平和のハト』(1949年作)
○ハトを抱く少女を描いた代表作『鳩と少女』(1901年作)


が有名です。

もともと、ピカソは、ハトをモチーフにした絵によって画家としての生涯を歩み始めました。

ハトが平和の象徴として知られるようになった舞台裏では、人類の至宝である画聖ピカソの多大な功績があったという話です。

3、「ハト」と幸せなジンクス


 
ハトは本来群れをなして行動する性質があり、繁殖力と生命力ともに旺盛なため、特別視されている存在です。

また、温和な外見と気質から、「鳥類の羊」とも呼ばれ、「夫婦愛の象徴」とも言われています。

「#幸せのハート鳩」というインスタグラムのハッシュタグで、東京での目撃情報が交換されているハト界の有名なハトもいます。

エサをあげた訳でもなくハトをたまたま目撃した場合には、

生活において何らかの良い変化が起こる前兆というジンクスもあります。

ハトは、現時点でも、その愛くるしい姿で以て、人々を幸せな気持ちにする存在です。

まとめ



今回の記事では、「どうしてハトが平和の象徴なのか?」という素朴な疑問をご説明しました。

「ハト」が、「平和の象徴」として認識される過程で、人類の至宝である画聖ピカソの功績があったということがお分かりいただけたかと思います。

この記事が、生活の中でしばしば見かける「ハト」を、さらに身近に感じていただくきっかけになれば幸いです。

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