絶滅危惧種「アカウミガメ」に関するお話

2021.7.19 子育て

絶滅危惧種「アカウミガメ」に関するお話

#教育

先日、インターネットニュースに、このような記事が載っていました。

「絶滅危惧種のアカウミガメが個体数を回復しつつある」

という、ほっこりする明るいニュースです。

そこで今回の記事では、「コロナ関連以外の話題をお子さんと共有したい」というママさん、パパさんに向けて、アカウミガメについてご紹介します。


1、アカウミガメについて


「アカウミガメ」は、全身褐色、お腹がオレンジ色のウミガメの一種です。

ウミガメの中でもとても広い生活圏をもっていますが、北太平洋地域では日本が唯一の繁殖地です。

毎年5~8月にかけて上陸し、外洋に面した砂浜で産卵が行われます。

日本における産卵場の多くは海岸の浸食が懸念されています。

成長したカメは外海で漁業用の網に引っかかることや、汚染などで死亡するものが少なくありません。

そうした、さまざまな困難を乗り越えた、非常に少ない数のウミガメしか命を繋いでいくことができないのです。

現状として、ウミガメが毎年産卵に訪れる海岸では、地域の人々への理解と保全に関する働きかけが必要です。

そんなアカウミガメは、実は絶滅危惧種に指定されています。


2、絶滅危惧種とは?



ところで「絶滅危惧種」とは、何を意味しているのでしょうか?

大まかな説明になりますが、「現状の生態系の中から存在が消えてしまう恐れがある生き物たち」のことを指します。

そして、生き物が絶滅危惧種になる原因は、大まかに分類すると3つあります。


原因①:大規模な森林伐採などで野生生物が暮らす場所の減少
特に、野生生物の宝庫である熱帯林が人の手による開発によって減っていることが深刻な影響をあたえています。

原因②:温暖化など大きな環境変化に対応できなくなった動植物の増加
地球の温暖化により、海氷の消失による食物と繁殖地の不足が起こったため、ホッキョクグマは絶滅の危機に瀕しています。

原因③:その地域にもともといなかった外来種が在来種の生態系を壊す
大型で競争に強い外来種が侵入すると、食物連鎖のバランスがこわれ、生態系が大きく変化してしまうのです。


アカウミガメの場合は1度の産卵で100個以上の卵を産みますが、産卵場所である砂浜で人間による卵の捕獲が後を断ちません。

また、孵化した子ガメの多くは、海にたどり着くまでにカニ、キツネ、鳥などに襲われて命を落とします。

どうにかして海にたどりついても魚に食べられるものが多く、厳しい自然の中で1年以上生き続けられるものはごくわずかだといわれています。

3、近年は少しずつ生息数が回復しつつあるウミガメ



実は、メキシコ湾のように、30年にわたる保護の取組みの結果、ウミガメの数が回復しつつある地域もあります。

また、地中海に浮かぶチュニジアのクリアト島では近年、卵の数は年々増加傾向にあります。

4、ノンフィクションで描かれるウミガメの絵本



アカウミガメは、絵本の題材にもなっています。

佐藤ヒロシさんという方が、『アカウミガメのくる浜べ (ノンフィクション絵本―いのちのゆりかごシリーズ)』という絵本を書かれております。

ボランティア団体の子どもたちが、自然の中で色々なことを体験したり感動したりことの大切さを伝えるノンフィクションの絵本です。

貴重なアカウミガメの産卵地の遠州灘(静岡県御前崎市から愛知県東三河辺りの海域)をカメや鳥たちの楽園にしたいという思いをもって日々自然保護活動に尽力している、というお話です。

興味を持たれた方はぜひ一度手に取ってみてくださいね。



まとめ


可愛らしいアカウミガメ。
来る日も来る日もコロナ禍のニュースばかりが放送されている現状で、少し毛色を変えた話題をご紹介させていただきました。

皆様の気分転換になりましたら幸いです。

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