~今年で219歳⁉ 冷蔵庫の歴史を知ろう~

2022.2.14 子育て

~今年で219歳⁉ 冷蔵庫の歴史を知ろう~

#知育#教育


●はじめに


今年も、厳しい寒さが続いています。温かい食べ物や暖房で寒さから逃れたい季節ですね。
私たちが体を温めたい時でも、ずっと冷えているものがあります。それは、冷蔵庫です。
今回は、冷蔵庫の歴史をわかりやすく解説していきます。「身近な家電」の歴史を知ることが、親御さんやお子さんの好奇心をくすぐるかもしれません。


●海外で誕生し、原型が生まれる


まだナポレオンが生きていた1803年、世界で初めて、アメリカ人が冷蔵庫のルーツとなる道具を開発しました。それは、氷を入れて冷やす製氷機型のものでした。
大勢の研究者たちが試行錯誤を重ねました。そして、日本が激動の幕末を迎えていた1856年、オーストラリアの発明家によって、世界で初めて「実用的な機械式冷蔵庫」が開発され、販売されました。まだ電気がない時代だったため、石炭ガスで動かすタイプの冷蔵庫でした。家庭用ではなく、食肉やビールなどの業界で広まっていきました。



それから半世紀以上が経った1918年、日本が米騒動に揺れていたころ、アメリカで初めて家庭用冷蔵庫が販売されました。主に上流階級で広まりました。当時の冷蔵庫が、現代の家庭用冷蔵庫の原型です。


●日本にやってきて国産化が始まる


1923年、関東大震災が発生した年、初めて日本にも冷蔵庫がやってきます。アメリカからの輸入品で、これが販売されました。そして7年後の1930年、ようやく初の国産冷蔵庫が誕生しました。ですが、一般家庭には普及しませんでした。価格が「庭つきの家1軒」とほぼ同じで、とても庶民には手が届かなかったためです。
一般家庭への普及は、20年以上もお預けとなります。


●家庭に普及し、進化も始まる


太平洋戦争が終わり、日本で高度経済成長が始まった1950年代後半、家庭用冷蔵庫が本格的に普及していきました。1960年代に入ると、冷蔵庫に2つの新しい機能が加わりました。「冷凍」と「自動霜取り」です。冷凍食品の保存にも対応できる。自動で霜を取り除いてくれる……。より便利な家電へと進化したのです。
そして1970年代、冷蔵庫に大きな「3つの変化」がありました。次のようなものです。

① 収納できる容量が増えた
② ドアが1枚から2枚に増えた。
③ 庶民でも手が届く価格になった。




●さらなる進化を遂げていく


1980~90年代に入ると、さらに機能が充実しました。急速冷凍や脱臭が可能となったり、自動製氷の機能が加わったりしたのです。

90年代には、収納スペースの配置が換わりました。
冷蔵庫は、冷蔵室、野菜室、冷凍室などに分かれていますが、多くの人が最も頻繁に開け閉めするのは冷蔵室でしょう。最上段にあるため、開け閉めしやすいですよね。このタイプの冷蔵庫が定着したのは90年代のことでした。



例えば、東芝の製品には次のような経緯があります。

① 80年代、冷蔵室は最上段ではなかった。
② 調査したところ、「消費者が最も頻繁に開け閉めするのは冷蔵室」と判明。
③ 「だったら、冷蔵室を最上段に移動させよう」ということになった。

使いやすさを重視した結果、「冷蔵は最上段」が基本形となり、現在も受け継がれているのです。


●おわりに


人類初の冷蔵庫が誕生したのは1803年。今年(2022年)から219年前です。今年で冷蔵庫は219歳の「長寿家電」になった、と言うこともできるでしょう。
最近、スマートフォンのアプリで食品の在庫チェックができたり、温度調節や節電設定の変更ができたりする冷蔵庫も出てきました。これからも冷蔵庫は進化を続けていきそうです。

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