2022.7.11 子育て
「蚊帳」って知っていますか?
これから、気温が高くなってくる時期ですが、心配なのは蚊の大量発生です。
今回の記事では、「化学物質になるべく頼ることなく、蚊に刺される危険性を低減する」方法としての「蚊帳」についてご紹介いたします。
子どもの健康を考えて、薬剤などを使わず「蚊帳」を使ってみたい、ママさんパパさんにぜひとも読んで頂ければ、と思います。
1. 蚊帳とは?
日本での生活で、蚊を防ぐために寝床を覆う麻や木綿製の四角に吊る寝具のことです。
もともとは帳(とばり)を張って作られた虫よけができる空間です。
「どういう感じのものなのか?」ということが思い浮かばない方には、アニメ映画『となりのトトロ』の中にも登場する「緑色の網状のもの」を思い浮かべて頂きたいと思います。
ちなみに日本における歴史の古さとしては、蚊帳は平安時代初期の書物に初めて登場します。
ざっくりとした説明をすると、「虫よけをした空間を確保するために室内に設置する虫よけの網」ということになります。
2. 殺虫剤(あるいは虫よけ剤)を使わなくていいメリット
①殺虫剤の化学物質は体内に蓄積する?
殺虫剤を含めて、あらゆる化学物質は、体内に少しずつ蓄積していく傾向があります。
「生体濃縮」といって、おもに食物連鎖の過程において、体の仕組みとの関係で、生体内の化学物質の濃度が高まっていく現象です。
平成16年に16万人を対象に行われた「化学品の有害性表示に関するアンケート調査」という調査において、「危険有害性の高い物質を含む」という認識が、「非常に高い」ということが判明しました。
有効回答数(1063件)の内、約80%ほどの人々が「身体によくない」という認識を持っていることが、このアンケート結果から伺えます。
一般に流通している殺虫剤は「ピレスロイド系」のものが主流です。
この系統の殺虫剤は、身体の仕組み上人間にもペットのどちらにおいても、体内で分解できる成分となっており、結論的には、ほぼ無害と言われています。
ほぼ「無害」とは言われていても、10年スパンで考えた時に、この先「本当に」無害なのかということに関しては何の保証もありません。
それでも、なぜ、私たちは、殺虫剤を使うのか?
一つの目安として、アンケートなどの結果を通して浮かび上がるのは、殺虫剤を使う方々の考えの一つには、「効き目の強さ」などが最も重視されているようです。
それでは、虫よけ剤の場合はどうなのでしょうか?
②虫よけ剤の化学物質は体内に蓄積する?
それでは、虫よけ剤の場合はどうなのでしょうか?
「虫よけ剤」は、蚊などが寄って来ないように「私たちの身体に塗布」するものです。
蚊が私たちの身体の表面に止まったときに、違和感を覚えて、結果的に血を吸うのをやめるように仕向けるような成分が含まれています。
そして、虫よけ剤は、長く使っていると、眼、鼻、のどの粘膜が刺激されることがあります。
したがって、上記の①、②の内容を踏まえると、「有害性に対して意識は向けているけれども、便利だから使っている」という実情が見えてきます。
③殺虫剤(虫よけ剤)を使わないという選択肢
結論的には、殺虫剤や虫よけ剤を使わない方が、身体にはよさそうです。
そこで、「蚊帳」の出番です。
「蚊帳」に関しては、冒頭でご説明いたしました通り、大まかに説明すると「虫よけをした空間を確保するために室内に設置する虫よけの網」です。
蚊帳は、現在、企業が主体となって、疫病の媒介となる蚊を寄せ付けない化学物質を練りこんだ繊維で編み上げた蚊帳が発展途上国で大活躍しております。
このような蚊帳の設置に伴い、人類を死に至らしめる疫病が蚊を媒介として蔓延するのを予防できるという見込みがあります。
実際に蚊帳を使っている人の感想としては、
・大量の蚊が襲ってきても、問題なく過ごせる。
・効果は24時間、365日持続する。
・蚊帳の中にいれば基本的に刺されない。
といった声があります。
日本では、あまり蚊帳は注目されていませんが、アフリカでは非常に重宝するもののようです。
意外なものを通して、日本とアフリカが繋がっているのが面白いですね。
3. 殺虫剤(虫よけ剤)を使わない蚊帳のデメリット
人体に対する化学物質の作用などの面での安全性は、蚊帳を使う場合は心配しなくても良いです。
一方で、蚊帳を使うことに対するデメリットというのはあるのでしょうか?
①蚊帳を使うことのデメリットとは
一つには、蚊帳は「人体に影響を及ぼす虫から守られた空間を作りだす」だけなので、そもそも住環境周辺に蚊などが多いという根本的な問題に関しては解決がなされていません。
つまり、「蚊帳の中では、蚊に刺されなかったけれど、一歩出たら集中攻撃される環境に一気に放り出される」ということがあります。
また、蚊帳の網の目が体に接していると、その部分は蚊に刺されやすくなっているので注意が必要です。
蚊帳は、網の中で過ごせば刺されないので、つまり、裏を返すと、守られた空間内に居続けることが大切になります。
したがって、行動範囲は必然的に狭くなってしまいます。
そして、入り口がしっかり閉じていることが大切です。
入口にスキマがあるとそこから蚊が侵入してくるので、入り口が常にきちんと閉まっているかに注意する必要があります。
まとめ
「蚊帳」は便利。
お子さんの安全を考えつつ、蚊を防ぐための方法の一つが蚊帳を使うことです。
蚊帳の使いやすさを見直して、今年の夏を乗り切りましょう。
この記事を通して、殺虫剤をなるべく使わない蚊帳を活用した生活様式について知って頂ければ幸いです。