
2022.7.5 子育て
昔は「権力の象徴」だった? ~傘が「庶民の雨具」になるまで~
●はじめに
私たちにとって、衣類や靴と同じくらい身近なアイテムの1つに、「傘」があります。
「雨の日に、男の子が傘をさして歩いている」……それは、大人も子どもも「ふつうの光景」として見るでしょう。ですが、そうではない時代がありました。
一体どういうこと? 今回はそれも含めて、「傘が雨具になるまでの歴史」を解説します。
●傘は以前、雨具ではなかった?
傘の歴史は、今から4000年ほど前に始まったとされています。当時のエジプトなどの壁画や彫刻画に、傘をさした人が描かれています。
やがて、古代ギリシャでも傘が使われ始めました。ですが当時は、現代とは異なる使われ方をしていました。次の3つが「常識」とされていたからです。
① 「傘は女性が使う道具」
② 「傘は雨具ではない」
③ 「傘は贅沢品」
「男性は使わない『日よけ』の道具。庶民が使うものではない」と認識されていたのです。
古代ギリシャでは、富裕層の女性が使い、日差しをさえぎりつつ「権威の象徴」にしていたそうです。
「日よけ」という点は現代と同じですが、「性別」、「裕福か否か」の2点に左右されるという点は、現代と大きく異なりました。
「雨の日に、男の子が傘をさして歩いている」……現代では当たり前の光景ですが、当時は「ありえない光景」だったのです。
●現代へとつながる「変化」
その後、傘に「大きな変化」が2つ生まれました。
① 開閉式の傘が作られた
生まれてからしばらくの間、傘は「開閉できないもの」でした。しかし13世紀に入り、「開閉できるもの」に変わったのです。これが現代の傘にも受け継がれています。
② 雨傘が普及し始めた
18世紀後半に入ると、「雨傘」が普及し始めます。
そのきっかけを作ったのは、ジョナス・ハンウェイというイギリス人男性でした。
旅行でペルシャを訪れたとき、中国製の傘が「雨傘」として使われているのを見て心を動かされました。ジョナスは帰国後、防水加工の傘をさして町を歩きました。それを見た人々は次のように思いました。
「本来は女性向けで、雨具ではないはずの『傘』を、男性が雨具として使っている……‼」
「あんなことを堂々とやるなんて、変人か?」
「雨天で傘をさす男性」というだけで、ジョナスは好奇の目にさらされたのです。
ですが彼は「雨傘」をさし続けました。その結果、「雨天で傘をさす男性」は珍しくないものとなっていきました。
「ジョナスが傘の常識を変えた」と言えるかもしれません。
●日本の傘
ここまでは、西洋における傘の歴史を解説してきました。
となると、日本における傘の歴史も気になりませんか? 以下に解説していきます。
日本の傘は「和傘」と呼ばれます。
諸説ありますが、和傘は4世紀ごろ、中国から伝わってきたのがはじまりだとされています。
当時は、身分の高い人がさすもので、「日よけ・魔よけ」、「権力の象徴」にしていました。古代ギリシャに近い使われ方をしていたのです。
当時の和傘は、開閉式ではありませんでした。鎌倉時代になってから、棒を使えば開閉できる和傘が誕生しました。防水加工もされるようになり、「雨傘」としての役割を担うようになったとされています。
江戸時代になると、棒を使わなくても開閉できる和傘が誕生しました。そして、庶民にも普及していきました。「自在に開閉できる雨具」という、現代に近い状態の傘が定着していき、やがて「庶民に身近なもの」となったのです。
●おわりに
雨が降ると傘をさす……。私たちにとって、服を着ることのように当たり前の行動ですが、その「当たり前」が確立された背景には、「日よけだけではない」、「男性や庶民も使える」という「新しい常識」を作った人々がいたのです。
もし、そのような人々がいなかったら、現代の私たちは雨天で傘をささないのでしょうか?
そうだとしたら、雨天の日はどうやって外を歩くのでしょうか? そんな妄想をしながら傘をさして歩いてみるのも面白いかもしれません。









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